8月30日から9月2日まで、共和党の党大会が、ニューヨーク市のマディソンスクエアガーデンで行われます。この党大会は最もテロの標的になる可能性が高いと日夜報道されています。 事実、今年の3月、200名もの犠牲者を出したスペインのマドリッドの通勤電車が爆破されたテロ事件では、その3日後の総選挙でそれまで絶対有力視されていたJose Maria Aznar率いるPurular Partyが大敗し、新政権SocialistのJose Luis Rodrigez Zapatero首相は、公約通りイラクからスペイン軍を撤退させる結果となりました。選挙に影響を与えるためにテロ行為が行われる可能性は極めて高いと考えられています。 「ニューヨークのことだから関係ない」ことはなく、これから11月2日の大統領選挙まで候補者の集会があれば、規模こそもちろん違いますが、同じような状況に陥ります。 会社として準備しておくべきDisaster Managementを、今回は共和党党大会で予想される混乱を想定して解説します。 共和党党大会で予想される混乱: 1) 交通規制 マディソンスクエアガーデン近辺の交通規制は前日の29日から行われます。その他VIPの宿泊するホテル周辺、ランドマークになっているエンパイヤステイトビル、グランドセントラル駅、ニューヨーク証券取引所、今回警告が出されているCity Corp Groupビル周辺なども厳戒態勢がひかれます。地下鉄の駅やバスの停留所で閉鎖される箇所があります。マンハッタンに入る橋やトンネルを含めいくつかの警察によるチェックポイントが設けられ、全ての車輌がチェックされます。マンハッタンの広範囲な地域で交通が麻痺することが予想されます。 (詳しくはhttp://www.nyc.gov/html/dot/html/motorist/advisories/trafalrt.html#repconvention) 2) 物流の遅延 交通規制に伴って物流が大幅に遅延することが予想されます。緊急車輌の遅延も否めません。 3) デモ 25万人のデモ参加が予想されています。特に民主党支持者の多いニューヨーク市では「反戦」「反ブッシュ」のデモが党大会開催中は連日行われる予定です。(Bloomberg市長は、16日、セントラルパークでのUFPJによる大規模デモを拒否しました。) 4) 他地域での警備が手薄に マディソンスクエアガーデンには8,000〜10,000人の警官が動員されます。また同じ週に試合のあるYankeesやMetsのスタジアム、USオープンへの警備にも多数の警官が動員されます。軍隊3部隊の応援もあるとは言え、9・11以降ニューヨーク市警は5,000人の人員削減をしているため、どうしても主要地域以外の警備が手薄になります。(ブッシュ大統領とケリー上院議員のキャンペーンが重なったアイオワ州の小さな町では、その日3件の銀行強盗事件が発生しました。) 従業員への影響: 1) 遅刻や休みの増加 大幅な交通規制で、どうしても従業員の遅刻が多くなります。また、当日や前日の休暇申請なども発生することが予想されます。また事前、直前の休みでオフィスで働く従業員の人数が減ることも予想されます。 2) 出張やクライアント訪問の拒否 テロの可能性が高いことが報道されていることもあり、特に飛行機を利用する出張や、高層ビルへの訪問を嫌がる従業員が出てくるかもしれません。 3) 集中力、生産性の低下 休みや遅刻をする従業員が通常より多くなると、どうしても仕事がいつものように効率よく回らなくなります。また、いろいろな情報で混乱し、仕事への集中力が低下してしまうことも予想されます。 会社としての対策: 会社として重要なことは、できるだけ普段通りにビジネスができるような状況にしておくことです。 同時に、従業員には柔軟に対応する姿勢を見せて下さい。 1) ポリシー(会社規定)のチェック 遅刻や突然の休みの申請にどのように対応するか、再度ハンドブックに書かれてあるポリシーをチェックして下さい。特に部下をもつ管理職には社内で一貫した対応ができるように徹底しておくことが必要です。同じ状況の従業員に対し、上司によって対応が違っては後で問題になります。 2) 従業員へのコミュニケーション 各会社の対応が決まったら、従業員にメモなどを配布して通達して下さい。 ・予想される混乱 ・会社がその状況を理解していること ・できるだけ柔軟に対応すること などを明確にコミュニケーションして下さい。 3) Disaster Managment Plan(危機管理マニュアル)のチェック テロなどの緊急事態が発生することも考え、内容が現状にあったものになっているかチェックして下さい。また、実際に非難訓練を行うことをお勧めします。 4) 緊急連絡網のアップデイト 電話緊急連絡網がアップデイトされているか再度チェックして下さい。また本人以外の緊急の場合の連絡先も入手しておくようにしておいて下さい。 この機会に是非ハンドブックやDisaster Management Planの見直しとともに、従業員への明確なメッセージの伝達をして下さい! 次回は、夏休みが終わったらあっという間に年末。「年末の人事考課をあわててしないために今から準備しておくこと」についてです。