-人事管理- 成功の方程式 ポジションクローズの解雇について
このところ市場の景気後退、また国内外の競争激化による利益率の減少などを背景に、競合他社との差別化に加えてコスト削減にも大きな課題のひとつとして取り組まれておられると思いますが、その観点で人員削減をお考えになられることも出てくるのではないかと察します。そこで今回はいわゆるポジションクローズ(ポジション・部門の閉鎖)の解雇における初期段階で留意すべきポイントについて紹介させて頂きます。
@ビジネス上の理由における妥当性
ポジションクローズの解雇についてお問い合わせ頂く中で、実際は経費削減もさることながら、本当は給料が高くなりすぎていたり、業績また勤務態度が思わしくなかったりするので解雇したいというケースも多いのが現状です。 特に記録が十分そろっていない時などは、ポジションクローズで処理してしまおうと考えられる会社も少なくないのではないかと思います。 いずれにせよ、ポジションクローズの解雇においては単に「効率性をあげる」「経費削減する」というだけでなく、 売上及び利益における過去の推移、将来の見通し、更にはポジションクローズにおける経済的な効果について具体的な数字をもって客観的にその妥当性を証明できることが重要です。
A対象者のプロファイル
次に解雇対象となる従業員のプロファイルにも留意する必要があります。皆様もよくご存知かと思いますが、 「女性」「マイノリティー」「40歳以上」は法的に保護されているグループで、解雇対象となる従業員がそのグループに属する場合は 訴訟クレームに発展する可能性も十分に考えられます。また複数の従業員を一度に解雇する際に、 対象となる従業員に共通の特徴(例えば全員女性、全員40歳以上など)がある際は、 より一層のリスクがあることを覚えておく必要があります。また例えば総務・会計部門全体を閉鎖する場合で、 例えば3人いる従業員のうち、1人を残し、残り2名を解雇するようなケースにおいては従業員選別の根拠を説明できる必要があります。 一般的にはポジション、業績評価などをもとに包括的な判断をすることになりますが、仕事の内容・評価などにおいて 全く違いが見られない場合は、勤続年数が最も長い従業員を選択することもあります。
B退職金
最後に退職金についてですが、皆様もよくご存知の通り、米国では日本のような退職金制度はありませんが、 ポジションクローズにおける解雇に際してはある程度の退職金及びその他ベネフィットを用意し、Separation Agreementにサインする (つまり訴訟案件を起こさないと約束させる)ことを条件に支払うことが一般的です。 額としては大体1年間の勤務について基本給の1週間から10日程度というのが相場といわれていますが、 実際は対象となる従業員のプロファイル、性格、また過去の同様のケースにおける対応などを総合的に考慮して ケースバイケースで判断することになります。
ポジションクローズを基にした解雇は、確かに業績不振をもとにした解雇よりもリスクは少なく、 難易度も低いことが多いですが、いずれの場合も米国での解雇に際しては常にリスクがつきまといますので 細心の注意を払って行うことが必要です。
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